その日、ヨセフとその妻マリアは、ローマ帝国皇帝カエサル・アウグストゥスの命令による、今で言う戸籍の登録のため、生まれ故郷のベツレヘムへの旅をしていた。
今から2千年と少し前の出来事である。
登録のために大勢の人がベツレヘムを訪れていたその日、それほど裕福ではない2人が選んだ宿は、一つの家畜小屋だった。
そこでマリアは男の子を産み、その子をロバの飼い葉おけの中に寝かせた。
人類史上、最も大多数の人々に影響を与えたと言っても過言ではない人物、イエス・キリストの誕生である。
彼の生涯は大いに波瀾に満ちたものだったに違いないが、彼の誕生日を祝うクリスマスなんていう祝日が制定された経緯も、歴史の中で波瀾を伴い、現在に至っている。
というのもこの日がいつだったのか。聖書のどこにもキリストが誕生した正確な日については述べられていないからである。
学者たちの研究により、様々な説が飛び交い、ついには1月から12月まで、どの月にもキリストの誕生日説が浮上する始末だった。
最終的に現在、12月25日をキリストの誕生日として祝う習慣が固定化されたのはなぜだろうか。
そこには政治的な意図が隠されていた。
実はクリスマスが制定されるずっと以前から、12月25日には一つの祭りが一部の宗教信者によって執り行われていた。
太陽神ミトラスの誕生日である。
冬至に向けてだんだんと日が短くなり、その日を境にまた日が長くなるのを見て、昔の人は神格化した太陽が生まれ代わると考えたのだろう。
キリストの誕生日は、その日にあてがわれたのである。
In ancient Rome, December 25 was a celebration of the Unconquered Sun, marking the return of longer days.新ブリタニカ百科事典「Does Christmas have pagan roots?」
The church in Rome began celebrating Christmas on December 25 in the 4th century during the reign of Constantine, the first Christian emperor, possibly to weaken pagan traditions.
(古代ローマでは、12 月 25 日は征服されざる太陽を祝う日であり、日が長くなったことを記念しました。
ローマの教会は、おそらく異教の伝統を弱めるために、初代キリスト教皇帝コンスタンティヌス帝の治世中の 4 世紀に 12 月 25 日にクリスマスを祝い始めました。)
そのような古い異教の祭りをやめされるのではなく、それを祝う理由だけを、異教の物からキリスト教のものに変え、それらが教会の典礼に適合するようにせよ教皇グレゴリウス1世が宣教師メリトゥスに宛てた手紙。西暦601年
キリスト教国が、異教の権力を弱め、キリスト教政治の権力を盤石化するために、歴史の改変をしたのである。
仮に12月の、それも下旬に、キリストが誕生したとすれば、いろいろと矛盾が生じる。
地中海性気候において冬は雨季であり、山道は雪で覆われて到底旅ができる状態ではなかっただろう。
家畜小屋で一晩を過ごすという選択肢もなかったのではないかと思われる。
カエサルがわざわざそのような過酷な時期に、戸籍の登録のための旅を国民に強いるとも考えにくい。
さらに聖書にはその日、羊飼いが羊を屋外で放牧させていたとの記述もある。
この記事は、X(旧Twitter)上で、めいろま氏が、クリスマスに言及した事へのカウンターとして書いている。
本来ならクリスマスだって日本人の大半はやるべきではない。口には出さないけどキリスト教徒の中には我々の神を信じてないのになぜ我々の祝祭をやるのかと苦々しく感じている人もいます。布教目的のため商業化を許しているに過ぎない。寛容な人らは気にしませんが。 さらにキリスト教徒ではない日本人が、キリスト教式の結婚式をやることも信心深いキリスト教徒には大変な侮辱行為にあたります。めいろま氏のツイート
日本人はそう考えても原理主義や敬虔な人はそうじゃないわけ。日本人の大半はキリスト教原理主義者だらけの土地なんて住んだことがない。中絶やる産婦人科医が射殺されるとこなんだよ。ワイが住んでた場所。あとな、イギリスやイタリアやポーランドも敬虔な人もかなりいるから内心は激怒なんだよ…めいろま氏のツイート
実際には敬虔なクリスチャンが上記の事実を知らないとは考えにくく、むしろクリスマスを祝う事でキリストを冒涜しているとすら考える人たちもいる。
教会で厳かに執り行われるクリスマスミサが襲撃される事件は何度も聞くが、ただの民間のクリスマスパーティーの襲撃は実際そこまで聞かない。
間違った起源を主張されると、争いの種になるのは日本人でもよくわかると思うのだが。
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