ラプラスの悪魔

物理




ラプラスの悪魔

10代の頃に運命論について考えたことがあります。

人の未来はあらかじめ決められているのか?

そう問われれば、そんな事はない、運命は自分で切り拓くものだと答えたくなりますが、ひとまず考えてみてください。

例えば、
ロシアンルーレットのようなゲームをしていて、目の前には美味しそうな肉まんが2つ用意されてます。
一つは紛れもなく美味しい肉まんです。
もう一つはからしがたっぷり詰まった罰ゲーム肉まんです。

あなたはよく観察しどちらかを選びます。
こういう時、統計では人は左を選ぶ傾向にあるらしいと、何かで読んだ事があります。
あえて逆らって、右を選んでみようか、いや待てよ、右の方がほんのり黄色っぽく見えるような気がする。
いや、光の加減でそう見えるだけだ。
やはり右を選ぼう。

そうしてあなたは右の肉まんに手をかけ、それを食べました。
残念ながら、口一杯にからしがひろがり、あなたは咽せながら、コップに手を伸ばします。

そこで時間が巻き戻り、あなたの目の前には2つの肉まんがあります。
あなたの脳のシナプスも、まだ肉まんを選ぶ前まで遡り、先ほどからしで咽せた記憶が刻まれる前の状態に戻っています。

あなたは再度肉まんを見つめ、こういう時、人は左を選ぶ傾向があるって何かで読んだ事があるな、と思いを巡らします。
右の方が黄色っぽい気がします、でも光の加減でそう見えるように思えます。
あなたは右の肉まんに手をかけ、それを口一杯に頬張ります。

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何度時間が戻ったとしても、やはり同じ思考を繰り返し、同じ選択をしてしまう事でしょう。
脳のシナプスの状態まで、全てが同じ条件なのだから。

であるならば、人の自由意思というものは存在するのだろうか?

こんな事を考え、後に、それに「ラプラスの悪魔」という名前が付いている事を知りました。

そして、量子力学の登場によって、一旦はラプラスの悪魔は否定されることになります。
さらに現代では、量子力学をもってしても、ラプラスの悪魔は否定されていないとの見解も登場しています。

時間が過去から未来に向かって一方向的に流れているという考え自体に疑問が投げかけられていて、すでに未来は存在している、あるいは時間は存在しないといった概念もあります。

うまく言葉で説明できるわけではありませんが、全ての時間は同時に存在していて、それでも我々はそれぞれの時点で、そこから過去の記憶しか持ち得ないために、時間が過去から未来に流れているように錯覚しているだけかもしれません。

あなたはどう思いますか?

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