ブーメランに気づかない日本人

議論




先日Twitter(X)で、「アメリカ人は英語がわからない外国人を見下す」という、実体験に基づく在米日本人すけちゃん氏のツイートに対して、
「なので俺は日本語で話しかけようという努力が全く見られない白人観光客には絶対に英語で対応しない」とカウンターを仕掛けた引用ポストが議論を呼びました。

これに対して「当たり前」とか「よく考えたら失礼だよね」と共感する声が圧倒的多数であり、反対意見にはさらなる反論が多数付く状況です。

よくある
「日本人は海外で頑張ってカタコトの英語で話しかけては邪険にされてるのに、日本に来た外国人は日本語も話そうとしないで英語で乗り切ろうとするのは不公平だ」
みたいな言説ですが、これは完全に外国人=英語ネイティブという先入観によって引き起こされます。

こち亀のこの一幕、これは半分ネタで書いてると思うのですが、日本人が持っているのは「スーパー英会話」。この国がどこかは言及されてません。
「なぜ旅行先で英語で尋ねて日本でも英語で答えねばならんのだ!」というセリフがその先入観そのものですね。

日本人も海外を旅行する時、イタリアに行ってもスペインに行ってもイタリア語やスペイン語ではなく英語で生活するし、それでなんとかなります。
長期で滞在するなら現地語を覚えるかもしれないし、そこで働くなら現地語が英語以上に上達するかもしれないけど、それはそれでよかったねってだけの話です。

つまりすけちゃん氏のツイートを見て、「アメリカ人って傲慢だなー」と感じた人が、「日本では日本語を話せよ」って言ってるのは完全にブーメランです。
しかも英語は世界共通語として一般に認知されている分、「日本語で話せよ」っていう要求は元のアメリカ人以上にタチが悪い。
その話しかけて来た外国人は、日本滞在1日目かもしれないし、ほんの数日で帰国するかもしれないのです。

公平を期すために、アメリカでアメリカ人に優しくしてもらった経験談を。

初めてのアメリカで、ロサンゼルス空港から留学先の寮に向かう時、学校側に送迎を有料でお願いする事もできたんですが、勉強のために自力で寮に行くことにしました。

空港内ではWi-Fiが使えるので、そこでルートを調べて、スクショを撮り、空港を出ました。
まず簡単な事ですが、バスの乗り方がわからず、近くにいたショーン・コネリー似のパイロットに声をかけました。
彼は即答出来なかったので、わざわざ他の人に聞きに行って、まずは無料のシャトルバスでバス停まで行く必要がある事を教えてくれました。
最後に「Good luck!!」って言いながらウインクされました(笑)
いやめちゃくちゃかっこよかったですね。
私が女なら惚れてた事でしょう(笑)

無事にバスに乗れて、スクショを見ながら移動してたんですが、どうもルートが違うような気がしました。
乗るバスを間違えたんですね。
無事じゃなかった(笑)

そこで隣に座る女の子に話しかけ、「ここに行きたい」と、スクショを見せました。
彼女はスマホで行き方を調べてくれ、それを写真に撮らせてもらいました。
彼女は中国系の方で、スマホ画面は中国語が表記されてました。

バスの乗り換えのために、次のバスを待ってると、黒人の女性が話しかけて来ました。
「空港に行きたいんならそっちじゃないよ」みたいな感じです。
荷物が多かったために、空港に向かう途中だと勘違いしたんですね。
なんせそんなところに今来たばかりの旅行者がいるはずがないっていうような、ちょっと治安の悪そうな地域だったので。
今空港に着いて、ここに向かってる途中だと説明しながら写真を見せると、「それならここで間違いないね」と言って、そのまま同じバスに乗り合わせました。
運賃の支払いのために、他の乗客に掛け合ってまで両替してくれたり、とても親切にしてくれました。

そんなこんなで、予定より2時間遅れで寮にたどり着く事ができました。

旅行者ならこういう現地の人から親切にしてもらった経験があると思います。
もちろん冷たくされた経験もあるんでしょうが、そんなんいちいち覚えてないです。
日本で旅行者に遭ったら、自分のできる範囲で親切にしたいもんですね。

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