成田悠輔と池戸万作の”ろくでもない”議論

経済




成田悠輔と池戸万作の”ろくでもない”議論

まず両者の主張をまとめると、


池戸氏「日本経済の低迷の原因は、政府支出が少なすぎた事。10%程度、韓国並みに政府支出を増やすべきだった」


成田氏「経済とは複雑な物で、日本経済の低迷の原因はわからない」

この二つの主張は特にどちらも間違ったことを言ってるとは思えないんだが、番組の構成上なのかなんなのか、俺には成田氏が池戸氏の主張を言い負かせる事に終始していたように思えました。


結果、議論が全く建設的でなく、池戸氏の主張もなぜか「国民全員に年間100万円配れ」であるかのようにうまく歪められ、まるで危ない人扱いをされてしまった感。
(そもそも現金給付は政府支出の定義からも外れる)


否定しなかった池戸氏も良くない、おそらくそれでも成り立つだろうからと譲歩していった結果、自身が言ってもいない事、「国民に年間100万円配れば、仮にみんな働くのを辞めてパチンコに繰り出しても経済成長する」と主張している事にされてしまった。


こういうのを”ろくでもない”って言ってませんでしたか?成田さん?

ちなみに俺自身は、池戸氏の最初の主張、「政府支出を10%程度増やすべきだった」には賛成で、「国民に年間100万円、無条件で配る」事には反対です。
いわゆるベーシックインカムの是非にまで話が飛躍するので、ここでは割愛。

政府支出と経済成長の因果関係についてはロジックで説明するしかない。
いくらデータを示そうと、

「偶然の一致かもしれない」

「再現性があるかどうかわからない、なぜなら…」

と、「なぜなら」の部分で成田氏のように極論を持ち出せば、まるで反論できているかのように視聴者に錯覚させることが可能。
これで多くの人を騙せる事が、番組コメント欄からもわかります。

まず政府が公共事業を行えば、その分の仕事と成果物が生み出されるので、単純にその分GDPが増えます。
それを租税で賄わずに、国債や通貨発行で賄うと言うのが池戸氏の主張だと思うので、租税による可処分所得の減少がここでは起きません。
金融政策と同じ効果を、財政政策によるトリガー付きで行うってことになりますね。

アベノミクスで言うところの第一の矢と第二の矢の合わせ技です。
これによってインフレ率は上昇し、金利も上昇する事が見込まれるわけですが、これまで長い間デフレ不況だったわけなのでそれでいいのです。

円の価値が下がる事によって輸入物価が上がると言う指摘に対しては、輸入物価が上がる事により、国産の同等品が相対的に競争力を得る事になるので、それは国内の生産者にとっても有利に働きます。

国内の生産に、海外からの原材料費がかかるから国内生産物の価格も上がるという指摘に対しても、あくまでGDPは国内で生産された付加価値の合計なので関係ないわけです。


インフレ率だけを見てバランスを考えるべきで、インフレ率が目標値を超えた時に引き締めに転じればいいのです。

池戸氏の主張は日銀の意向に沿ったもので、それに反論している(かに見える)成田氏の主張は財務省の意向に沿ったものに見えます。


成田氏はあくまで、池戸氏が正しいかもしれないし間違いかもしれないとの立場なので名言は避けていますが、結果的に反論に見えます。

今現状では世界がインフレに傾いているので日本もその煽りを受ける可能性があり、政府支出を増やすべきかどうか、俺にはわかりません。


岸田政権は増税によってインフレ抑制のための引き締め政策を取っているようにも見えるし、俺自身はそれに対して賛成も反対もないです。

アナリストなんて、所詮過去を振り返って、あの時こうしていれば良かったと言えるにすぎず、未来の予測ができるもんではないです。

以上、反論を受け付けます。

【経済学者】成田悠輔&池戸万作が熱論!日本なぜ成長できない?

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