債券価格と期待値の関係

経済




債券価格と期待値の関係

前回の話を思い出してください。


期待値の重要性についてお話しましたが、証券の理論価格には、すべて期待値が絡んでいます。
これを理解しなければ、証券の世界は謎のベールに包まれたまま。逆に言えばそれさえ理解できれば理解の扉は開かれたも同然です。
(相場で稼げるかどうかは別問題ですが)

例えば無リスク利子率(国債の利率と思ってもらえれば)が1%だったとします。
100円を投資すれば1年後に確実に101円になる利率です。

その場合、全ての期待値が1%の利回りに近づくようにマーケットは反応します。(現実には投資家のリスク回避性向により、リスク資産の利回りは1%より大きくなりますが、ここではわかりやすくそう仮定します)

円(えん)」を韓国語では?日本円の読み方とお金の数え方 | 韓国情報サイト - コネルWEB

ここで20%の確率で倒産するだろうと予測されている会社があったとします。
その会社が1年ものの債券を発行すれば、倒産しなければ1年後に元金+利息が受け取れ、倒産した場合0になります(実際には倒産しても0になるとは限りませんが、わかりやすくするために)。

その利率は

100 x (1+利率) x 80% + 0 x 20% = 101

で、方程式を解けば26.25%になります。

この会社が、例えば利率10%で過去に利付債を発行していたとします。
そして残存期間は1年です。
そうするとその債券は、会社が倒産しなければ1年後に額面100円につき、元本100円と利息10円もらえます。

その債券の市場価格は新規で発行される利率26.25%の利付債と等価になるように決まるので、

(額面100円あたりの)価格 x 1.2625 = 110

で、方程式を解けば、87.1287となります。

つまり額面金額100円につき、約87円で取引され、それより高ければ売られ、安ければ買われるということになります。  

このように債券の理論というのは、かなり基礎的な期待値の問題として捉えられます。
そして債券を理解することは、お金を理解することに繋がるので、債券の理論に少しでも興味を持ち、探求することには価値があると言えるのです。

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